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「患者申出療養の趣旨から逸脱」、中川日医副会長

レポート 2016年10月19日 (水)  橋本佳子(m3.com編集長)

厚生労働省は、10月19日の中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)に対し、「患者申出療養」の第1例目になる東京大学医学部附属病院の事例を報告したが、日本医師会副会長の中川俊男氏は、「患者申出療養の趣旨とは全く異なり、逸脱している。今回の枠組みで患者申出療養の第1例目を実施するのは、非常に残念」と問題視、「患者申出療養」の制度の在り方を改めて検討するよう求めた(資料は、厚労省のホームページ)。 東大病院の患者申出療養は、腹膜播種陽性または腹腔細胞診陽性の胃癌に対する「パクリタキセル腹腔投与および静脈内投与並びにS-1内服併用療法」で、9月21日の患者申出療養評価会議で了承された(『東大の「患者申出療養」、条件付きで第1例目承認』を参照)。 中川氏は、この療法を希望した患者に対する実施は問題ないとしたものの、疑問を呈したのが、東大病院の実施計画において、対象患者の適格基準の緩和の仕方に問題があるほか、1年間の予定登録症例数が100例であり、うち30例は「先進医療下で実施された臨床試験で治療継続する患者」となっている点だ。「患者申出療養」は文字通り、...