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「人と違うことをやる」、ノーベル医学・生理学賞の大隅氏

レポート 2016年10月25日 (火)  橋本佳子(m3.com編集長)

横浜市で開催された第54回日本癌治療学会学術集会で10月21日、2016年のノーベル医学・生理学賞を受賞した、東京工業大学科学技術創成研究院特任教授の大隅良典氏が特別講演した。テーマは、受賞理由となった「酵母から始まったオートファジー研究」。 ノーベル賞受賞の決定は、10月3日。大隅氏は、「私自身は前と全く変わっていないと思っているが、『こんな生活があるのかな』というほど、多忙で、非常にプレッシャーのある生活」と率直に近況を明かしながら、講演を始めた。 「How many red blood cells are made in just a second in our body?」 東京大学の教養学部で教えていた時代、最初の講義でこう問いかけていたという。答えは、「人間の体内で作られる赤血球は、1秒間に300万個」。 「人間の体を構成するタンパク質は、2、3カ月でほぼ全てが入れ換わる。これが機械と生物の大きな違い」「遭難しても、人間は10日くらい生き延びることができる。その間も、(栄養を摂取しなくても)タンパク質の合成は行われている」。そんな例を挙げながら、タンパク質の分解、合成がダイ...