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精神保健指定医取消、「医師のモラル欠如が原因」 - 松田ひろし・日精協副会長に聞く

インタビュー 2016年11月7日 (月)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

89人の指定取消に至った精神保健指定医問題(『101人の不正を認定、精神保健指定医、大学教授も対象』を参照)。 処分決定は10月26日、同日付でいち早く声明を出したのが、日本精神科病院協会。多数の処分者が出た事態を「遺憾に思う」とした上で、「精神保健指定医の資格試験そのものが制度疲労を起こし、試験や研修の方法を改革すべき時期に差し掛かっていると主張し、厚労省に改善案の申し入れをした」との内容だ(資料は、同協会のホームページ)。 同協会副会長の松田ひろし氏に、今回の事態の受け止めと改善案の内容についてお聞きした(2016年11月1日にインタビュー)。 ――なぜ今回の不正取得が起きてしまったのか、その理由をどうお考えでしょうか。 私の個人的見解ですが、やはり一番の問題は、医師のモラルの欠如です。精神医療を受ける患者さんの中には、「本来、精神保健指定医ではなかった医師に、強制入院の判断をされた」と受け止める人も当然いるでしょう。指定医の役割を安易に考え過ぎていたのではないでしょうか。 精神疾患を抱えた患者さんは、差別や誤解もあり、人権という意味では非常に弱い立場にあります。精神科医がその人権...