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薬価、10万円ダウンでも問題なし?

レポート 2016年11月9日 (水)  橋本佳子(m3.com編集長)

中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)は11月9日、23成分、35品目の薬価を承認したが、尋常性乾癬などに適応を持つトルツ皮下注(一般名イキセキズマブ)については、製薬企業の経営姿勢に対し、委員から厳しい指摘が続出、薬価算定方式にも問題があることから、2018年度改定に向けて、抜本的な見直しを求める声が相次いだ(資料は、厚生労働省のホームページ)。薬価基準収載は、2016年11月18日の予定。 トルツ皮下注は、今年8月の中医協総会で、24万5873円(80mg1mL1筒)の薬価で承認されたものの、その後、日本イーライリリーは薬価収載を取り下げた。今回再申請され、決まった薬価は、14万6244円(同)。日本医師会副会長の中川俊男氏は、薬価が約10万円も下がった点を挙げ、「企業は、これで十分にやっていけるということか」と指摘、その上で「企業戦略に翻弄されてはいけない」と問題視した。薬価算定方式における外国平均価格調整は、「製薬企業の希望小売価格である、アメリカの価格」(中川氏)に左右される場面が多いことから、比較対象国からアメリカを除外するなど、2...