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「被災地がリーダーシップを」災害医学講座の取り組み◆岩手医大Vol.3

スペシャル企画 2016年12月5日 (月)  高橋直純(m3.com編集部)

東日本大震災を経験した医大だからこそできることを――。岩手医大では2011年9月、「災害医学講座(現在は救急・災害・総合医学講座の災害医学分野に再編)」と「災害時地域医療支援教育センター」を設立、震災対応の検証や災害医療に関する研究と、人材育成に力を入れる。同講座の眞瀬智彦教授は「被災地がリーダーシップを取ってもいくことが重要」と話す。 眞瀬教授は2011年3月の発災時、当時は県立中部病院に勤務していたが、発災後は県庁に詰めて、岩手県の統括DMATとして医療支援のコーディネート役を務めた。過去には県庁の医系技官として岩手宮城内陸地震、岩手沿岸北部地震(ともに2008年)に携わった経験を持つ。「2つの地震で医療と他の部署がほとんど連携取れておらず、その必要性を感じていたところ、統括DMATを命じられた」。 眞瀬智彦教授 東日本大震災ではDMATが撤収した直後に「いわて災害医療支援ネットワーク」が立ち上がった。行政、医師会、地域医療機関などが加わり、医療救護班のマネジメント、医療搬送、医薬品・資器材の供給などさまざまな活動を行ったが、事実上の事務局業務を一手に担ったのは岩手医大だった。眞瀬...