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告発状受理、「皆様のお力添えのおかげ」

レポート 2016年11月24日 (木)  出羽厚二(岩手医科大学法医学講座教授)

奈良県で勾留中の医師が死亡した事件で、遺族が奈良県に損害賠償を求めた民事訴訟の意見書のほか、本事案を容疑者不詳のまま、奈良県警察本部に刑事告発したのが、岩手医科大学法医学講座教授の出羽厚二氏(『勾留中の男性医師死亡、法医が刑事告発したわけ』を参照)。 m3.com医療維新で取り上げたところ、m3.com内外でさまざまな議論が展開されている。出羽氏に現時点での議論の受け止めを綴っていただいた。 まず私は臨床経験が乏しく、病理の知識は標準以下の人間です。鑑定依頼が殺到する実力派の鑑定医ではありません。時津風部屋事件も、法医学の人間であれば誰も間違えることはないレベルの事例だったと思います。今回の奈良の事例も医学的常識、もしくは一般的な常識として誰もが「おかしい」と思われるレベルのことだと思っています。 法医学の人間が、警察を告発するのは「お行儀が悪い」ことと自覚しておりますが、そうでもしないとこの大きな問題が解決できないと思い、今回の告発に至りました。奈良県警の起こしたと思われる事件を奈良県警に告発するという奇異というか皮肉な状況ですが、他に告発先がありません。あるとすれば奈良の検察庁です...