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医療系学部の集約が理想、総合大学の強み発揮- 伊木雅之・近大医学部長に聞く◆Vol.2

インタビュー 2016年12月13日 (火)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――医学教育については、2014年度から新カリキュラムにし、さらに2018年度からも見直すとのことでした。どの辺りが現状の課題なのでしょうか。 専門教育のカリキュラムについては、2014年度にかなり改訂できたと思います。課題は、教養教育です。教養教育の位置付けが曖昧であり、我々は教養教育に何を求めるのかをもう少しはっきりさせないと、科目も決められません。 私が医学生の時代は、6年間の医学教育のうち、2年間が教養教育でした。ところが今は、専門教育が1年生でもどんどん入ってきているので、1年間もありません。「教養教育が、本当にそんなに短くていいのか。教養のない薄っぺらな医師を養成してどうするのか」という声がある一方、「もっと短くていい。教養教育を1年間やっただけで、教養豊かな医師が養成できるわけはない」という声もあるわけです。 例えば、倫理学。特に医療倫理は、「医学部1年生の時に講義で学ぶよりも、臨床実習をやりながら、並行して教えた方が効率的」といった意見があります。最終的には、今よりも教養教育は短くなるのではないでしょうか。 近大医学部長の伊木雅之氏は、医療系学部を複数持つ強みを発揮して...