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私たちの気持ちはずっと以前に離れていた【連載小説「朔風」16回】

火曜日、金曜日に更新

2016年12月23日 久間十義(小説家)


[連載第1回はこちら]【6】いったい妻は何を言っているのか?まったく彼女の言い分がわからずに、健太朗は困惑した。「ちょっと待ってくれよ。俺が至らないところは直す。とにかく藪から棒にそんなことを言い出さないでくれ」そう懇願したにも関わらず、慶子の態度は頑なだった。「藪から棒じゃありません。あなたがそう感じるのなら、もうすでに私たちの気持ちはずっと以前に離れていて、お互いを忖度することもできなくなっていたんです」「いや、そういう意味で言ったんじゃなくて、その、寝耳に水というか……」「だから、寝耳に水...

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