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保険医療制度、“焼野原”にするな

レポート 2016年12月24日 (土)  橋本佳子(m3.com編集長)

第57回日本肺癌学会学術集会(福岡市)で企画された12月20日のシンポジウム「医療経済から観た適正な肺癌診療」で、日本赤十字社医療センター化学療法科部長の國頭英夫氏が登壇、「私の第一の目的は、次の世代に今の医療システムを、焼野原にせずに、いかに引き継いでいくかにある」と述べ、高額薬剤の登場が相次ぐ時代にあって、「効果と副作用が同等なら、安い方の薬を使う」など、費用対効果を念頭に置いた処方行動の重要性を訴えた。 オプジーボ(一般名ニボルマブ)に代表される昨今の高額薬剤が社会問題化したのは、國頭氏が2015年の同学術集会で問題提起し、メディアで大々的に取り上げられたのが、一つのきっかけだ。國頭氏は、「オプジーボを非小細胞肺癌の適応用量で使用した場合、1人当たりの薬剤費は、年3500万円、5万人に使用すると年間約1兆7500億円」という試算を提示。國頭氏は、2016年4月の財務省の財政制度等審議会財政制度分科会でもプレゼンテーションした。 オプジーボの薬価は、2017年2月から50%引き下げられることになった(『オプジーボ、来年2月から50%引き下げへ』を参照)。國頭氏は20日の講演では、こ...