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男性医師の勾留中死亡、奈良地裁、遺族の請求棄却

レポート 2016年12月27日 (火)  橋本佳子(m3.com編集長)

奈良地裁(木太伸広裁判長)は12月27日、奈良県の山本病院に勤務していた男性医師(当時54歳)が、奈良県桜井警察署に勾留中の2010年2月、呼吸停止になり搬送先病院で死亡した事件で、奈良県を訴えた遺族の請求を棄却した。遺族は、勾留中の留置業務管理者である奈良県に過失があるとし、9682万5418円の損害賠償を求めていた。代理人弁護士の小泉哲二氏は、「公平な訴訟指揮とは、とても思えない」と問題視、2017年1月4日までに控訴する方針。 遺族は、「男性医師は急性腎不全に起因する多臓器不全によって死亡した」と主張していたが、判決は、本件全証拠によってもこの主張は認められないと判断。「留置業務管理者や搬送先の病院が、男性医師を入院させた上で必要な検査・治療を行っていれば、死亡することはなかった」との遺族側の主張は、「その前提を欠く」として退けた。遺族側は、取調官による殴打で傷害を負い、横紋筋融解症を発症したことが急性腎不全の原因と指摘していたが、判決では取調官の行為等には言及していない。 判決後、会見した遺族は、「勾留中、どんな様子だったのか、なぜ下肢などに痣ができたのかなど、私が一番知りたか...