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急性期病院が手掛ける「在宅」とは◆Vol.1

レポート 2017年1月9日 (月)  橋本佳子(m3.com編集長)

「急性期病院こそ、在宅ケアとの連携を深めるべき」。こう強調するのは、沖縄県立中部病院の感染症内科と地域ケア科に籍を置き、外来と入院診療の傍ら、在宅医療にも取り組む高山義浩氏。昨秋、『地域医療の暮らしのゆくえ―超高齢社会をともに生きる―』(医学書院)を上梓した。自身の臨床経験に加え、厚生労働省に医系技官として2回勤務した異色のキャリアで培った知見を踏まえ、多数の事例を盛り込みつつ、地域医療が直面する課題の解決策のヒントを綴った書だ。 第1回は、高山氏の訪問診療の同行ルポ、第2回と第3回では、本書を上梓した思い、地域ケア科の取り組みのほか、高山氏自身のキャリアについてのインタビューをお届けする(2016年11月15日にインタビュー。計3回の連載)。 「受け持ちの入院患者さんが緊急手術になりそうで……」 取材の待ち合わせは午後2時。少し遅れて沖縄県立中部病院の外来玄関に現れた、地域ケア科と感染症内科を兼務する高山義浩医師は、開口一番、こう切り出した。今は検査を終え、その結果待ちとのことで、合間をぬって駆けつけたのだった。 中部病院の看板の一つが、ER。救急車の搬送件数は、年8000台に上り、...