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精度85%で自殺リスク分析、スペインの病院で実証

レポート 2017年1月16日 (月)  橋本佳子(m3.com編集長)

「精神科領域は他の領域とは異なり、診断法そのものが確立しているとは言えず、また医師による診断のバラツキがあり、標準化したいというのが、サン・カルロス医療病院が、精神科領域に人工知能(AI)の導入を検討した理由の一つだった」 こう語るのは、Fujitsu Laboratories of Europe」(以下、FLE)のデータ分析リサーチ部門のマネジャーを務めていた、伊豆哲也氏だ(現在は、日本勤務)。FLE とFujitsu Spain(以下、富士通スペイン)はこのほど、精神科領域における医師の意思決定プロセスを支援するシステム、「Advanced Clinical Research Information System」を開発した。スペイン・マドリッドにある総合病院、サン・カルロス医療病院で、5人の医師と本システムの精度を比較する実証研究を行ったところ、85%以上の精度で、自殺の潜在的リスク、アルコール依存・薬物依存のリスクなどを検出でき、それに要する時間は、医師5人の平均は約20分だったのに対し、半減した。「本システムを使えば、医師の時間を効率化でき、その分、患者の問診などの時間に充て...