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医療情報は“宝の山”、有効活用するカギは?

レポート 2017年1月30日 (月)  橋本佳子(m3.com編集長)

脳梗塞患者の平均入院期間は8日。この期間で退院できるか否かを最も左右する因子は何か……。 ベテランの臨床医でも容易には解答を見い出せないこの質問に、答えを出す際に活用したのが、済生会熊本病院(熊本市)が、2015年度から導入している「NECV」と呼ぶ電子カルテだ。同病院の患者データを基にした分析結果は、「入院4日目の意識状態」。 「入院時点での意識レベルかと思ったが、入院当初は何らかの合併症が起きやすく、不確定な要因がある。4日経った時点でのJCS(ジャパン・コーマ・スケール)を評価すれば、その後の治療方針を検討でき、8日目には自宅に退院できるのか、入院期間が延びるのか、あるいはリハビリテーション病院への転院が必要なのかなどが分かる。ソーシャルワーカーもその時点から退院に向けた具体的な準備ができる」。済生会熊本病院(熊本市)院長の副島秀久氏はこう説明する。脳梗塞患者に関する分析では、転帰には関係しない、言い換えれば「不要な薬」なども明らかになっているという。 「NECV」を利用した脳梗塞の分析例(提供:副島氏) 済生会熊本病院は、救命救急センターを持ち、脳血管系や心血管系疾患などに強み...