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もう搬送先を迷わない!「Cloud ER」実証研究

レポート 2017年2月3日 (金)  橋本佳子(m3.com編集長)

「正しい問診(トリアージ)により、救命率が向上する」 この考えの下、東京慈恵会医科大学脳神経外科の高尾洋之氏らが開発を進めているのが、「急性期IoTリストバンド型ウェアラブルデバイスクラウドスマホアプリシステム医療機器開発研究」、通称「Cloud ER」だ。 救急搬送の現場では、脳卒中なのか、急性心筋梗塞なのか、どの程度重症なのか、どこに搬送すべきか、病院側はどんな受入準備をすればいいのか……。年々、救急搬送件数が増加する中、これら直面する諸問題を的確に解決するツールとして期待されるのが、「Cloud ER」だ。 「Cloud ER」のイメージ(提供:高尾氏) 高尾氏らが目指す救急搬送体制は、次のようなものだ。まず搬送要請を受けた救急隊員が、リストバンド型のウエアラブルデバイスを患者に装着。これは、カフがなくても、血圧、脈拍、体温、心電図などを測定できる端末だ。5~8問程度の簡単な問診や観察で得た情報も合わせて、スマートフォンで、クラウドサーバーに情報を転送する。AI(人工知能)が患者の容体情報と近隣医療機関の情報を基に総合的に判断して、適切な受入医療機関を選定。搬送中の患者情報も受入...