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総合診療のトレーニングで良いドクターになれる-草場鉄周・北海道家庭医療学センター長に聞く◆Vol.3

インタビュー 2017年2月17日 (金)  高橋直純(m3.com編集部)

[連載第1回はこちら] ――家庭医と総合診療専門医の違いは何でしょうか。 僕は同じ意識で使っています。たまたま、私自身が診療所を基盤とした総合診療を展開しているので、家庭医イコール診療所の総合診療医と捉えられがちですが。総合診療専門医の中にも救急医療を中心にしていたり、病棟医療を中心にしていたりといろいろな立ち位置の人がいて、診療の場に依存するアイデンティティの違いはあり続けるとは思います。ただ、その基盤となるものは均質であり、だからこそ総合診療専門医が地域ニーズに応じて柔軟に診療のあり方を変える貴重な役割を、分断化された日本の医療の中で発揮できるのだと思います。 ――改めてお聞きします。家庭医とはどのような存在でしょうか。 若い時にこの医者だけだと決めて、一人の医者にかかり続けることは少ないと思います。あちこちの医者に自由に行くのが日本だと普通になっています。ただ、それはその都度、過去の病歴や薬歴などをゼロから伝えることになり、非常に無駄が多い。一人の医師にかかっていればヒストリーを全て把握しているので、タイムロスが少なくてすみます。 そして、たくさんの病気にかかる時期に、ありがたみ...