1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 「院内事故調報告書」と「外部専門家の意見書」-愛知がんセンター和解訴訟の詳報◆Vol.2

「院内事故調報告書」と「外部専門家の意見書」-愛知がんセンター和解訴訟の詳報◆Vol.2

レポート 2017年2月12日 (日)  高橋直純(m3.com編集部)

卵巣がん摘出手術後に死亡した女性患者(死亡時40歳)の遺族が、容態急変後にCT検査をしていれば救命できたとして愛知県がんセンター中央病院(名古屋市)と主治医を相手に、約7500万円の損害賠償を求めた訴訟(双方の主張と和解内容は『院内事故調報告書が裁判資料に、愛知がんセンター和解訴訟の詳報◆Vol.1』)。病院側が遺族に1300万円の和解金を支払うことで和解は成立したが、その過程では病院が設置した院内事故調査委員会の報告書と双方が依頼した専門家の意見書が重要な資料となったと見られる。 事故調査報告書と意見書の要旨を紹介する。 ■医療事故調査報告書(全48ページ) 委員・外部有識者5人(医師3人、看護師1人、弁護士1人)、内部2人(医師・副院長兼医療安全管理委員長、副院長兼看護部長) 作成期間:2012年7月30日から10月29日までの全5回。各回とも遺族側弁護士が傍聴。2012年12月に完成した。 ※以下では、本件裁判の争点に関する部分のみを抜粋する。 Ⅶ 「臨床状況に影響を及ぼす要因」の「より積極的な治療の必要性」の概要 ・後球部の潰瘍は一般的な十二指腸球部潰瘍とは異なり、かなり難治性...