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アイデンティティーの確立が先決◆Vol.3

スペシャル企画 2017年2月7日 (火)  司会・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

司会 総合診療専門医の研修体制を考える際には、「養成数」の問題も、念頭に置く必要があると思います。どのくらい養成すべきなのか、あるいは現実問題として可能なのか、という視点です。 【丸山】 養成数は、算数的に考えると、「万」単位の数値が出てきます。しかし、日本では、プライマリ・ケア領域で、既に汗を流している医師たちがたくさんいるという大前提があります。既存のかかりつけ医であり、病院勤務医です。その方々に、まずは総合診療専門医を認めてもらう。そのプロセスが第一段階です。 次の段階として、地域住民に、「総合診療専門医は、“何でも屋”ではなく、個々の人にとって最適なナビゲーションをしてくれる医師」と理解してもらい、信頼を勝ち得ることです。 これら二つを満足する前に、養成数の問題を拙速に議論すると、総合診療専門医の質の問題が置き去りにされるのを非常に懸念しています。 【林】 私自身、総合診療を長年やってきましたが、日本では認められた制度がないのです。病院でも、「総合診療」ではなく、「内科」などの看板しか出せません。まずそれは認めてほしい。 【丸山】 その点は重要です。頑張って取り組んでいる先生方...