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「EBMで“個”を忘れる時代」、データ統合の重要性指摘、永井自治医大学長

レポート 2017年2月8日 (水)  高橋直純(m3.com編集部)

国際シンポジウム「生命科学のパラダイム転換による新たなヘルスケアの創出」(主催:理学研究所、科学技術振興機構)が2月7日、東京大学で開催された。ビッグデータを活用した予防医療の実現などがテーマで、自治医科大学の永井良三学長は「ビッグデータ時代の臨床研究」と題して講演、「EBMの時代になったことで、“個”を忘れる時代になった」と説明し、注目が集まる「Precision Medicine」については「データ統合による個別予見医療」と訳することで、データ統合の重要性を訴えた。 シンポジウムは、科学技術振興機構(JST)が国立研究開発法人を支援する「イノベーションハブ構築支援事業」として採択された理化学研究所の「高精度の予測に基づく予防医療の実現に向けた疾患ビッグデータ主導型イノベーションハブ」事業の一貫として開催された。 永井氏は講演の冒頭で、東大で行っている個々の患者の心臓モデルをシミュレーションする研究を紹介。2000万個の細胞から成るモデルを用いて、スーパーコンピューターで心臓の動態などをシミュレーションするもので、実用例として2歳3カ月の小児に対する先天性心臓病の手術に際して、どのよ...