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プライマリ・ケア医不足と専門医制は別問題◆Vol.4

スペシャル企画 2017年2月11日 (土)  司会・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

【前野】 これまでの話で幾つか意見を言わせてください。まず数の問題ですが、総合診療専門医レベルの質の高い専門医だけで、日本のプライマリ・ケアを全てカバーすることは不可能です。したがって、選択肢は二つしかなく、一つは質を下げて数を担保するか、あるいは数を絞って質を担保するかです。 前者、つまり“粗製乱造”すると、キャリアの魅力がなくなり、なり手がいなくなる。結局、質も量も駄目になる。一方で質を担保すれば、キャリアが確立されるので、それに魅力を感じ、プライドを持って自分のやりがい、アイデンティティーを感じながら仕事をできる専門医が増えてきます。長期的に見れば数が充足されてきます。 気を付けてほしいのは、プライマリ・ケア医が不足していることと、それを総合診療専門医でカバーすることを混同して考えてはいけないということ。専門医制度とも切り離して考えないと、粗製乱造になって、長期的にも数は充足しません。 では、プライマリ・ケア医の不足にどう対応するかですが、忘れてはいけないのは、日本のプライマリ・ケアは、自らプライドを持って取り組まれている先生方に支えられているという事実。そうした先生方の底上げや...