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「高野病院を支援する会」運営の舞台裏

オピニオン 2017年2月11日 (土)  嶋田裕記(南相馬市立総合病院)

私は高野病院(福島県広野町)の高野英男院長(81歳)が2016年12月30日に亡くなられた後、「高野病院を支援する会」としてさまざまな形で支援のお手伝いをさせていただいていた。 高野病院は福島第一原子力発電所からわずか22kmに位置しており、東日本大震災後も避難せず、双葉郡で診療を続けた唯一の病院である。118床の入院ベッドを抱え、広野町の住民や復興関係の作業員の診療を担ってきた。しかし、高野病院の唯一の常勤医であった高野院長が自宅の火災で亡くなった。それに伴い、主を失った高野病院は存続の危機に陥ることとなった。 現在は紆余曲折を経て、都立駒込病院を早期に退職した中山祐二郎医師が2月3月は院長、常勤医として勤務されているため、1月とはうって変わった、つかの間の安定をいったんは取り戻している。しかし、精神科の常勤医がいないことや経営の安定が得られたわけではないことを考えると、依然として今後の持続性には不安が残る(このことに関しては、高野病院を支援する会事務局長の尾崎章彦医師のハフィントンポストへの寄稿に詳しい)。 1月の高野病院の医療体制は、全国の支援者の協力により維持されてきた。総勢2...