1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 「がんへの挑戦」、東北大腫瘍外科教授の大内氏、最終講義

「がんへの挑戦」、東北大腫瘍外科教授の大内氏、最終講義

レポート 2017年2月12日 (日)  橋本佳子(m3.com編集長)

東北大学医学部腫瘍外科教授で、この3月で定年退職を迎える大内憲明氏は2月10日、同大の艮陵会館記念ホールで、「がんへの挑戦、病理に基づく手術、ナノ・バイオ、J-START」をテーマに最終講義を行った。 大内氏は、全国に先駆けて東北大で乳房温存手術を導入し、LTF(lateral tissue flap)法と呼ばれる手法を考案したことで有名。最終講義ではその経緯に続いて、免疫組織化学法を研究し、分子標的薬の適正使用につながるバイオマーカーを開発、さらに40歳代の乳癌検診におけるマンモグラフィと超音波検査の併用効果を、ランダム化比較試験(RCT)で証明したJ-STARTを紹介。J-STARTの結果は、Lancet誌に掲載されるなど、乳癌の臨床、研究、疫学の幅広い分野で成果を残した軌跡をたどった。 2012年4月から2015年3月までの3年間務めた東北大医学研究科長、医学部長時代は、2011年の東日本大震災後で大きな被害を受けた医学部・病院のキャンパスの復興に尽力。NIH(米国立衛生研究所)に1984年から留学し、腫瘍免疫などを研究、その時代およびその後に培ったネットワークを生かし、2013...