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実現可能な「がん消滅の罠」、元国がん研究者がミステリー大賞

インタビュー 2017年2月24日 (金)  高橋直純(m3.com編集部)

国立がん研究センターや放射線医学総合研究所でがん研究に従事した岩木一麻氏の作家デビュー作『がん消滅の罠 完全寛解の謎』が「第15回このミステリーがすごい!大賞」を受賞した。同賞は医師で作家の海堂尊氏も受賞するなど、ミステリー分野では日本で最も権威がある。 2017年1月に単行本化され、既に11万部を超えるベストセラーになっている。論文から小説へ書くものは変わったが、岩木氏は「がんという病気をもっと知ってほしい」という思いが執筆へつながったという。(2017年1月25日にインタビュー) ――がん研究をされていたとお聞きしました。 大学は神戸大農学部で、昆虫の研究で博士号も取得しました。その後、昆虫を使った抗がんタンパク質の研究スタッフとして、国立がんセンター(現:国立がん研究センター) で勤務していました。モンシロチョウから見付かったピエリシンという抗がんタンパク質の研究で、そこからがん研究者としてのキャリアが始まりました。それまでは昆虫を対象にしていましたが、がんセンターが重視していたのは昆虫を扱った経験で、分子生物学をやっていたこともあり、スムーズに移行できました。 『がん消滅の罠 ...