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AI時代こそ、問われる医師の「人間力」

レポート 2017年3月25日 (土)  橋本佳子(m3.com編集長)

「今後求められるのは、医療に関する知識が豊富で、診療ガイドラインを頭に叩き込む医師ではない。正しい薬を正しい患者の薬袋に入れる薬剤師も要らなくなる。このような仕事は、AI(人工知能)でもできる」 こう指摘するのは、浜松医科大学医学部附属病院医療情報部教授の木村通男氏。AI(人工知能)が医療分野でも活用される時代に入り、「医師では診断が付かなかった急性白血病の治療法が判明」「AI、医師国家試験に合格も近い?」といったニュースが流れる度に、「AIが医師に取って代わるか?」といった懸念も聞かれる(『そうだ!Watson君に聞いてみよう!』、『医師国試、合格目前!1、2年後には“医師”?』などを参照)。しかし、木村氏の答えは、「ノー」だ。 「そもそも患者は、医師が必要としている情報を全て話したり、最初から本当のことを話すとは限らない」と語る木村氏は、AIによる「診断」が可能であっても、診断に必要な情報を的確に引き出せるかどうかは、医師のインタビュー(問診)能力によるところが大きいと指摘する。「この先生には本当のことを言った方がよさそうだ、と思われる能力」(木村氏)を持ち、患者が話しにくいことを...