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「人件費増で経営厳しさ続く」高野病院・高野己保理事長に聞く◆Vol.1

インタビュー 2017年3月11日 (土)  高橋直純(m3.com編集部)

2016年末、高野英男院長(死亡時81歳)が急逝し、存続の危機に直面した福島県広野町の高野病院。福島県内の医療機関の医師らが「支援する会」を設立し、マスメディアでも数多く取り上げられたことで、全国に知られるようになり、新院長も決まった。しかし、福島第一原子力発電所事故の影響がいまだ続く被災地にあって、病院経営を取り巻く状況が改善したわけではない。2月末に開催された高野前院長のお別れの会の後に、関係者に話を聞いた(『「カルテ通じて、今も指導」高野院長お別れの会』を参照)。 初回は高野氏の二女で、病院の理事長を務める高野己保氏。震災後も医療のニーズは変わらない一方で、人件費などが膨らみ厳しい経営が続いているとし、「被災地で医療を継続した医療機関が存続できるスキームが必要」と強調する(2016年2月27日にインタビュー)。 ――高野病院の地域における位置づけを教えてください。 1980年に精神科医だった父英男が開業しました。当初は精神病床が多かったですが、今は地域の高齢化に併せて療養病棟1棟65床、精神療養病棟1棟53床の計118床となっています。患者さんの9割は双葉郡(福島県浜通りの6町2...