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「医の倫理」こそ、医師の原点 - 横倉義武・日医会長に聞く◆Vol.1

インタビュー 2017年3月23日 (木)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

「医師の規律」「医の倫理」「社会的共通資本としての医療」――。 横倉義武・日本医師会会長が最近の講演でよく使用する言葉だ。日常診療の実践、あるいは臨床研究の不正など最近報道される不祥事を防ぐために、個々の医師に求められる基本姿勢、考え方とも言える。高齢社会かつ価値観が多様な社会で、医療制度の在り方を検討していく上で、医師の専門職集団の拠り所でもある。 改めて横倉会長にこれらの言葉に込めた思いなどをお聞きした(2017年3月15日にインタビュー。計2回の連載)。 ――今、医療界では、臨床研究の不正、精神保健指定医の不正取得問題などの不祥事が相次ぐ一方、生殖医療などの先進医療、終末期医療などの生命倫理の面でも難しさを伴い、さまざまな局面で「医師の規律」が問われる時代になっています。「最適使用推進ガイドライン」の遵守が求められる高額薬剤の問題に代表されるように、適正な保険診療実践に当たっても、「医の倫理」が原点になると考えられます。先生は2月のある講演で、「医師の規律」との言葉を用いられていましたが、現状をどう見ておられるのでしょうか。 医師という職業の第一の役割は、人間の生命と健康を守るこ...