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医師は「自由業」、それを支える医師会 - 横倉義武・日医会長に聞く◆Vol.2

インタビュー 2017年4月1日 (土)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――宇沢先生の「社会的共通資本としての医療制度」の考え方に立てば、医療提供体制の在り方、さらに言えば新専門医制度も関係する問題かと思います。新専門医制度は、医師個人の資質の担保と同時に、地域医療への影響も踏まえ、社会に対してどのような医療を提供するかという点とも関係してくるからです。この辺りは、医師が専門職集団として取り組むべきか、行政の一定の関与が必要なのでしょうか。 本来であれば、行政の関与はあるべきではないと思います。ただ今起きている問題は、医師の偏在解消策として、新たな専門医の仕組みを使おうとされている点であり、そのために行政の関与が必要という論理になっていること。どの地域にどの診療科の医師が必要であるかなど、十分な情報を提供するのは行政の役割ですが、それに基づいてどんな医師の配置をするかなどは、専門職集団が考えるべきです。さまざまな情報を基にして、医師の自発的な行動として偏在解消につながるようにしていかなければいけないと思います。 ただ、これまで専門医の仕組みを運営してきた学会は、どうしても学問中心。しかし、臨床の実践に当たっては、より幅広い物の見方をしていくことが求められ、...