1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 遠隔診療やAI、「対面診療の補完にすぎず」、中川副会長

遠隔診療やAI、「対面診療の補完にすぎず」、中川副会長

レポート 2017年3月26日 (日)  橋本佳子(m3.com編集長)

日本医師会副会長の中川俊男氏は、3月26日の第139回日本医師会臨時代議員会で、ICTを活用し、日常診療を進化させていくことには否定はしないものの、「遠隔診療のツールであるICTやAI(人工知能)は、対面診療の補完」と説明、ICTを活用した遠隔診療等を診療報酬で手当するためには、ICTの活用が患者にとって有用かつ安全であるというエビデンスを確認することが必要だと主張した。在宅医療を関係職種に業務移転するツールとして、また遠隔画像診断などでICTを活用する場合でも、厳格な運用を求めた。 さらに中川副会長は、「医療費削減のためのICT診療は、医療の否定につながる」とけん制。ICTを活用した診療支援や遠隔医療が広がれば、医療費のパイが同じであれば、医師の技術料のシェアは縮小し、ICT・医療機器にコストに配分されていくことになる上、遠隔による健康指導等で公的保険外のサービスが広がれば、公的医療費は抑制されることが想定され、「それこそが財政当局の狙い」と警鐘を鳴らした。日医は今後も「ICTやAIの進歩に浮き足立つことなく、しっかりと利点と問題点を明確に指摘し、地域医療の進化に貢献していく」方針で...