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心臓外科、「3000例」が一人前の節目 - 天野篤・順天堂医院院長に聞く◆Vol.2

インタビュー 2017年4月9日 (日)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――働き方改革というと、時間外労働にばかり目が行きがちですが、いかに医師としての資質を磨くかについての議論があまりなされていないようにも思います。 その通り。まずどんな学生に医学部を目指してほしいのか、入試の段階からきちんと考える必要がある。単に高校の成績がいいから医学部に入学するのではなく、かなり明確な動機を持っていないと、医学部の6年間、さらにはその後の医師人生も乗り切れない。高校での社会活動なども評価して、医師としての素養を見極めることが必要。 平均寿命は長くなり、現役として働ける時間も延びているのに、中高一貫の学校、あるいは大学に入る時点で、人生を決めてしまう現状も見直した方がいい。やり直しがなかなか利かない状況になっている。そうではなく、いろいろなキャリアがあっていい。その中で医師としての適性がある人材を見いだしていくことが必要。 今の医学教育や卒後の臨床研修は、「もやしを育てている」に近いという問題もある。一定程度の「肥やし」を与えただけで、芽が出たら、市場に出してしまう。そうではなく、一定程度の負荷をかけて、それに対してきちんと答えを出すトレーニングをしないといけない。医...