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手術時間、7割程度は「労働」にあらず - 天野篤・順天堂医院院長に聞く◆Vol.3

インタビュー 2017年4月17日 (月)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――結局、医師の働き方改革は、「仕事とは何か」という話にもつながってくるかと思います。 私は、おいしいものを食べたり、ゴルフをしたりするのが好き。そして、眠い時には寝る。私にとっての手術は、それと一緒。内科系でも、研究が大好きな先生は、研究に終日没頭したり、研究論文を調べ、あっという前に総説を書いたりもしている。 外科医は、手術をやっている時間のうち、7割程度は、「仕事している」とは思っていないだろう。自分を高めるための時間、向学心を満たすための時間と考えている。手術時間が6時間だったら、労働時間として評価するのは、その3~4分の1くらいでいい。 医師に、「何をやっていると、働いているという感覚を忘れられる時間は何か」と聞いた場合に、明確な答えが返ってきたら、その医師は、働き方改革のポートフォリオ、自分の中に軸ができている証しと言っていい。一方で、研修医に同じ質問をしたら、返ってこないと思う。 生涯にわたり続けていく予定なのは、高校生向けの医療、医師という仕事に対する啓発活動だという。 ――「9時―5時」の勤務形態か、あるいは自己研鑽の部分が大きい仕事に就くかは、善し悪しではなく、各人...