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副作用を迅速にチェック、「薬のビックデータ」

レポート 2017年4月3日 (月)  橋本佳子(m3.com編集長)

医薬品の副作用の評価をはじめ、市販後の安全性監視やリスク・ベネフィット評価などに活用できる大規模の「医療情報データベース」(MID-NET;Medical Information Database Network)の2018年度からの本格稼働があと1年に迫り、その概要が見えてきた。 MID-NETは、PMDA(医薬品医療機器総合機構)が、全国10拠点、23病院の協力を得て構築を進めているデータベース。2011年度から準備を始めた。既に患者400万人分の電子カルテデータ、レセプトデータ、DPCデータなどを利活用できる仕組みになっており、本格稼働までには約450万人分には達する見通しだ。大規模な医療情報データベースとして、諸外国では、米国のFDA(米食品医薬品局)の「ミニセンチネルプロジェクト」が有名だが、MID-NETは政府の「健康・医療戦略」などでも言及され、その利活用に期待が高まる。 例えば、新薬の副作用は、製薬企業や医療機関からの報告があり、症例が集積されて、安全性速報発出に至る。しかし、新薬投与対象のうち何%の患者に副作用が発生するのかなどを把握するのは容易ではない。MID-NE...