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「カリスマ」が斬る今年の国試― 三苫博・東京医科大学医学教育推進センター長に聞く

レポート 2017年3月31日 (金)  高橋直純(m3.com編集部)

医師国家試験における「カリスマ」として知られ、2017年1月に東京医科大学医学教育推進センターのセンター長に就任した三苫博氏。32年間の医学教育の経験から、医学教育や国試対策の現状を聞いた。(2017年3月24日にインタビュー) ――2017年2月の第111回試験は内容的にも難しく、合格率は88.7%と近年でも低かったです。 東京医科大学医学教育推進センター長の三苫博氏 今年の国試は過去10数年の中でも難しかったと言えます。理由の一つは新しい問題が増えてきたことにあります。10年以上前では基本的に過去問と同じような問題が出ていましたが、今回は35%が初めて見るような問題と言えます。極めて臨床的な内容が問われるようになり、深い理解が求められ、暗記や過去問題ばかり解いている学生には難しいです。 また、求められる知識が、より広く細かくなっている一方で、ネット講義等で学生の対策も進んでおり、点数差を付けるためか難化している傾向もあるようです。今回の合格率は前回より2.8ポイントが下がりましたが、ここ3年間は同様の傾向が続いています。 ――学生は大変ですね。 ただ、問題としては、相当考えられてい...