1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 「オバマケア、単純に廃止できず」

「オバマケア、単純に廃止できず」

レポート 2017年4月14日 (金)  水谷悠(m3.com編集部)

鈴木邦彦常務理事 日本医師会は4月12日、米国の医療制度を視察した結果をまとめた報告書「ダイナミックに変化するアメリカ医療-オバマケアの成果とトランプ後の行方-」を公表した。2010年のオバマケア導入によって無保険者が減少したことを評価、調査団長を務めた日医常任理事の鈴木邦彦氏は、今年誕生したトランプ政権によっても、オバマケアの単純な撤廃は難しいとの見解を示した。鈴木氏は、「米国は、これまでは見に行っても参考にならないのではないかと思っていたが、オバマケアで、民間保険とはいえ皆保険になり、同じ土俵に立ったということで視察した」と訪米の目的を説明。調査では日医・民間病院アメリカ医療・福祉制度調査団が2016年5月1日から6日にかけて、ワシントンとニューヨークを訪問。「メディケア・メディケイドセンター」など各種施設を視察し、現地の研究者の講義を聴講した。 オバマケアによる無保険者減少を評価 鈴木氏による総括では、オバマケアによって無保険者が2010年の約4900万人(人口の16%)から2015年に約2900万人(同9.1%)へと減少したことを評価。ただ、保険でカバーされるサービスの対象が広...