地域医療への配慮と専門医の質「バランス必要」

全国医学部長病院長会議会長の新井一氏は、4月17日の定例記者会見で、地域医療に配慮しつつ、専門医育成のための教育レベルを保持できる新専門医制度の実施など、計3点の要望を盛り込んだ意見書を、日本専門医機構の吉村博邦理事長宛に提出したことを説明した。意見書は4月7日付け（資料は、同会議のホームページ）。制度の開始時期については、「一番、大変な思いをしているのは、専門医を目指す若いドクターであり、彼らに混乱を与えないことが必要」と指摘し、2018年度からの開始が可能であれば、「やっていただきたい」と述べた。 新井会長は、「全国医学部長病院長会議は、基本的には日本専門医機構の姿勢を支持する」との方針を示した上で、意見書を提出した背景について、「地域医療への配慮だけでなく、専門医の質を保障することも必要だが、どちらかに偏った意見が若干見受けられた」と説明した。意見書では、両方をバランスよく保つことを求めたほか、（1）地域枠で入学した医学生が円滑に専門医研修を受けられるよう、関係機関への環境整備の働き掛けを行う、（2）日本専門医機構の情報を丁寧に遅滞なく発信するよう努める――ことも盛り込んだ。 さ...