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ビジョン検討会の報告書、医療部会で異議相次ぐ

レポート 2017年4月20日 (木)  橋本佳子(m3.com編集長)

厚生労働省は、4月20日の社会保障審議会医療部会(部会長:永井良三・自治医科大学学長)で、「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」がこの4月にまとめた報告書を説明したものの、報告書の内容だけでなく、医療行政の議論の進め方そのものにも異論が相次いだ。 ビジョン検討会は、厚労省の「医療従事者の需給に関する検討会」と「医師需給分科会」の議論を中断して、2016年10月に発足した経緯があり、報告書がまとまった後も、いまだ関係者の理解が得られない状況が続いている(ビジョン検討会報告書は、『医学部定員増に歯止め、「偏在対策、成果を出すラスト・チャンス」』を参照)。 口火を切り、かつ最も強く異議を唱えたのは、日本医師会副会長の中川俊男氏。「日本の医療政策の形成過程で、大変なことが起きていると思っている。厚労省は今までは、私的諮問機関も含めて審議会を通してきちんとした合意形成過程を経て、医療政策を決めてきた。それにより、公的な国民皆保険が維持されている。しかし、そうしたきちんとした議論、政策の形成過程が今回は大混乱したと考えている。元に戻さないと、大変なことになる。既に私的...