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手術だけでなくシステムにも革新を - 田端実・東京ベイ・浦安市川医療センター心臓血管外科部長◆Vol.2

インタビュー 2017年5月1日 (月)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――33歳で帰国されて、日本の病院の環境はどうでしたか。「理想的な帰国タイミング」であったという理由は。 縁があって日本で最も心臓手術症例数が多い榊原記念病院に就職しました。榊原記念病院で働き始めて感じたことは、麻酔医やコメディカル、事務員から清掃員まで、米国よりはるかに優秀だということです。米国の病院でストレスを感じたことの例として、麻酔の導入が異常に遅かったことと、手術と手術の合間(清掃や器械の準備など)がこれまた異常に長かったことがあります。これはもちろん米国全ての病院がそうというわけではありませんが、少なくとも私がいた超有名病院の遅さは尋常ではありませんでした。それが、榊原記念病院では患者入室から20分で心臓手術の執刀を開始でき、患者が退室してから、わずか15分で次の患者が入ってくる。米国の病院で感じたストレスが嘘のようでした。もちろん日本の病院特有のストレスはありましたが、ここでは割愛します。 手術のレベルについては、海外の方が優れている分野もあれば、日本の方が優れている分野もあります。日本でトップレベルの心臓外科医としてやっていくには、当然後者もよくできなくてはいけないわけ...