1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 損害賠償金30万円、患者の自己決定権を侵害-横浜地裁判決を詳報◆Vol.3

損害賠償金30万円、患者の自己決定権を侵害-横浜地裁判決を詳報◆Vol.3

レポート 2017年5月14日 (日)  高橋直純(m3.com編集部)

横浜市戸塚区の国立病院機構横浜医療センターで十分な説明なく、不必要な心臓カテーテル検査をされたとして、女性患者(入院時69歳)が機構側に計156万円の損害賠償を求めた訴訟。Vol.3では認定事実を基に裁判所が下した判断を紹介する。 「増収のために不要な検査」は事実か-横浜地裁判決を詳報◆Vol.1 CT後に心臓カテーテル検査をすることの是非-横浜地裁判決を詳報◆Vol.2 損害賠償金30万円、患者の自己決定権を侵害-横浜地裁判決を詳報◆Vol.3 ■裁判所の判断 【2】医師Aおよび医師Bの不法行為の有無(争点1)について (1)心臓カテーテル検査の実施に関する不法行為の有無 女性は12月22日の造影CT検査により総腸骨動脈瘤がなかったのであるから心臓カテーテル検査は不必要であったにもかかわらず、医師A、Bが狭心症という虚偽の診療録を作成して不必要な検査を行った旨を主張するのに対し、医師らは心臓カテーテル検査は総腸骨動脈瘤の緊急手術の術前検査としては不必要になったが、女性には狭心症の疑いがあったことから確定診断のための検査としてはなお必要であった旨を主張する。 そこで、狭心症の疑いの有無...