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「群大事故が投げかけた10の課題」、名大長尾氏

レポート 2017年4月28日 (金)  橋本佳子(m3.com編集長)

4月27日の第117回日本外科学会定期学術集会の特別企画、「医療の安全・安心を確かなものに」で、名古屋大学医学部附属病院、医療の質・安全管理部部長の長尾能雅氏は、「群馬大学病院事故が外科診療に投げかけた10の課題」をテーマに講演、「事故調査の過程で、この出来事は群大に特有の問題ではなく、どこの施設でも起こり得ると認識した。また医療界が長年抱えている問題が浮き彫りになった」と述べ、他の医療機関にも群大事故の教訓から学ぶべきことは多いとして、注意を促した。 長尾氏は、2016年7月に報告書をまとめた群馬大学医学部附属病院の肝切除術に伴う、外部委員による医療事故調査委員会のメンバーの一人(『“名大事件”が群大事故調査の手本 - 上田裕一・群大“事故調”委員長に聞く◆Vol.1』などを参照)。 時系列的に見ると、「死亡例が集中し、いったん手術を抑えようとした時期があるが、患者の来院が続いたため、緩やかに再開するという繰り返しだった」(長尾氏)などの経緯があることから、「日常診療において、標準から逸脱した医療が登場した場合、それを早期に発見し、より安全な医療へと是正する自浄的な取り組みを進めるた...