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「医師の専従・専任配置」、医療安全に有効

レポート 2017年5月9日 (火)  橋本佳子(m3.com編集長)

専従・専任医師の配置は、医師およびそれ以外の職員のインシデント・アクシデントレポートの報告活動を活発化し、組織内の重要な問題の把握など、医療安全活動の基盤部分に重要な変化をもたらす――。 厚労科研「医療安全管理部門への医師の関与と医療安全体制向上に関する研究」による、全国1142病院の調査結果から検証された事実だ。研究代表者を務める名古屋大学医学部附属病院医療の質・安全管理部教授の長尾能雅氏は、「社会的に求められている医療安全活動は、単一職種・少人数の専任者のみで達成できるものではなく、多職種・チームによって達成できることが示唆された」と述べ、医師を含めたチームで取り組む必要性を強調する。 調査では、単に専従・専任医師を配置するだけでなく、担当する医師の「積極性」が、医療安全活動の質に有意に影響を及ぼす可能性も示されている。ここで言う「積極性」とは、「俯瞰性」「冷静さ」「フットワークの良さ」「継続性(持続性)」「この人なら聞いてもらえるという安心感」「調整力」「強い意志と公正性」などだという。 調査に先立ち、本研究では、各医療機関の医療安全活動を「平時」と「有事」に分けてシェーマ化、ル...