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新たなビジョン、利害調整では生まれず - 渋谷健司・厚労省ビジョン検討会座長に聞く◆Vol.1

インタビュー 2017年5月8日 (月)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

ここ数カ月、厚生労働省内の審議会・検討会の中で、高い注目を集めていたのが、「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」(『医学部定員増に歯止め、「偏在対策、成果を出すラスト・チャンス」』を参照)。その発足の経緯や「非公開」の議論のプロセス、ひいてはこの4月にまとめられた報告書に至るまで、医療界内で賛否が分かれている。 塩崎恭久厚労相の肝いりの「保健医療2035」策定懇談会(2015年6月に報告書)に続き、座長を務めた渋谷健司・東京大学大学院医学系研究科国際保健政策学教室教授に、議論の過程や報告書の基本的考え方などをお聞きした(2017年4月27日にインタビュー。計3回の連載)。 ――ビジョン検討会は、「医師需給分科会」をはじめ、厚労省の他の関係審議会・検討会の議論を事実上、ストップした形で2016年10月にスタートした経緯があります。この経緯には多くの批判がありますが、どう受け止められていますか。そもそも座長を引き受けられたお考えも含め、お聞かせください。 まずプロセス的には、既存の関係審議会・検討会関係者には、ビジョン検討会の報告書が出るまでの間、大変ご迷惑を...