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自己犠牲の上に成り立つ医療は終わり - 渋谷健司・厚労省ビジョン検討会座長に聞く◆Vol.2

インタビュー 2017年5月11日 (木)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――では、報告書の内容についてお聞きします。一番のメッセージおよび全体の根底にある考え方をお教えください。 「保健医療2035」を公表する際にも言いましたが、報告書は「これが正しい」、あるいは「これを絶対にやるべき」といった、「上から目線」の話ではなく、「こうした方向に進むために、皆で具体案を議論していこう」という提言であることをまずご理解ください。 次に報告書の基本的な考え方ですが、「自己犠牲の上に成り立つ医療は終わりにしましょう」ということ。これは医療に限らず、日本の組織全体に言えることですが、専門性やキャリアの追求の面でも、また時間的な面でも、個々人の自己犠牲の上に成り立っていることが多い。しかし、人生は自分のもの。特に、医師および医療関係者は、プロフェッショナルな存在であり、自分の人生は自分で決める。矜持と自律を備えた職業人として、世に尽くすことが求められます。 ビジョン検討会報告書には、専門医制度について言及した箇所が複数ある。渋谷健司氏は、「専門医の質を担保しない限り、新専門医制度発足の目的は果たせない」と指摘する。 ――大学医局などが、医師などに犠牲を強いてきた一方で、医...