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新専門医、「大学の専攻医囲い込み」は誤解 - 丸毛啓史・日本整形外科学会理事長に聞く

インタビュー 2017年5月11日 (木)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

「大学による専攻医の囲い込みになる」「医師の地域偏在を加速する」――。 新専門医制度をめぐっては、いまだこうした指摘が絶えない。診療領域による相違もあり、問題視される代表例が整形外科領域だ。 しかし、日本整形外科学会理事長の丸毛啓史氏は、「いずれの指摘も当たらない、データを見て議論してもらいたい」と反論する。同学会は、研修プログラム制と従来型の研修カリキュラム制を併用し、2017年度の専門医研修をスタートさせた。専攻医の採用実績を見ると、都市部への集中は起きていない上に、大学病院が基幹病院になる場合でも、大学での研修は半年から1年以内だという。丸毛氏と、副理事長の大川淳氏に整形外科専門医養成の現状をお聞きした(2017年5月10日にインタビュー。文中敬称略)。 ――2017年度の専攻医の採用実績をお教えください。 丸毛 大都市圏(編集部注:日本専門医機構が定める東京、神奈川、愛知、大阪、福岡の5都府県)での採用が278人、大都市圏以外が294人で、合計572人です。2011年度から5年間の平均採用実績(大都市圏269人、大都市圏以外270人)と比較すると、大都市圏は9人増(3.3%増)...