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“技量ない”看護師の穿刺でCRPS発症か - 静岡地裁、東京高裁判決を詳報◆Vol.1

レポート 2017年5月23日 (火)  高橋直純(m3.com編集部)

2010年に静岡赤十字病院において、点滴ルート確保のために左腕に末梢静脈留置針の穿刺を受けた女性(当時34歳)が、技量のない看護師が十分な注意を払わなかったことなどが原因で、複合性局所疼痛症候群(CRPS)を発症し、後遺障害を負ったとして、7171万円の損害賠償を求めた民事訴訟。2016年3月の静岡地裁判決に続いて、2017年3月の東京高裁判決でも、病院側の過失を認め、5700万円の損害賠償を命じた。病院側はさらに上告する手続を取っている。地裁、高裁の判決を5回に分けて詳報する。 Vol.1では、静岡地裁判決での事案の概要と双方の主張を整理する。 【掲載スケジュール】 Vol.1◆ “技量ない”看護師の穿刺でCRPS発症か Vol.2◆上肢の全廃、「心的要因も」病院側が反論 Vol.3◆発症までの経緯として裁判所が認定した事実(近日公開) Vol.4◆「深く穿刺しない義務を怠った」裁判所の判断(近日公開) Vol.5◆高裁、原審判決を踏襲(近日公開) ■■静岡地裁判決(2016年3月24日)■■ ■1 前提事実 【事実経過】 ア 被告病院の受診 (ア)入院 女性は、2010年12月19...