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発症までの経緯として裁判所が認定した事実-静岡地裁、東京高裁判決を詳報◆Vol.3

レポート 2017年6月5日 (月)  高橋直純(m3.com編集部)

2010年に静岡赤十字病院において、左前腕に点滴ルート確保のために左腕に末梢静脈留置針の穿刺を受けた女性(当時34歳)が、技量のない看護師が十分な注意を払わなかったことが原因などとして、その結果、複合性局所疼痛症候群(CRPS)を発症し、後遺障害を負ったとして、7171万円の損害賠償を求めた民事訴訟。 Vol.3では、静岡地裁判決で裁判所が認定した事実を紹介する。 【掲載スケジュール】 Vol.1◆ “技量ない”看護師の穿刺でCRPS発症か Vol.2◆上肢の全廃、「心的要因も」病院側が反論 Vol.3◆発症までの経緯として裁判所が認定した事実 Vol.4◆「深く穿刺しない義務を怠った」裁判所の判断(近日公開) Vol.5◆高裁、原審判決を踏襲(近日公開) ■■静岡地裁判決(2016年3月24日)■■ ■3 当裁判所の判断 1 前提事実 以下の事実が認められる。 (1)原告の既往症 女性は2002年、習慣性扁桃炎により両側口蓋扁桃摘出術を受け、術後に中咽頭嚢胞があったことから、2008年10月7日に中咽頭嚢胞切除術を受けた。 (2)本件穿刺および手術 A看護師は2010年12月20日午...