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高裁、原審判決を踏襲-静岡地裁、東京高裁判決を詳報◆Vol.5

レポート 2017年6月19日 (月)  高橋直純(m3.com編集部)

2010年に静岡赤十字病院において、左前腕に点滴ルート確保のために左腕に末梢静脈留置針の穿刺を受けた女性(当時34歳)が、技量のない看護師が十分な注意を払わなかったことが原因などとして、その結果、複合性局所疼痛症候群(CRPS)を発症し、後遺障害を負ったとして、7171万円の損害賠償を求めた民事訴訟。 Vol.5では、静岡地裁判決での判断、および東京高裁の判決を紹介する。 【掲載スケジュール】 Vol.1◆ “技量ない”看護師の穿刺でCRPS発症か Vol.2◆上肢の全廃、「心的要因も」病院側が反論 Vol.3◆発症までの経緯として裁判所が認定した事実 Vol.4◆「深く穿刺しない義務を怠った」裁判所の判断 Vol.5◆高裁、原審判決を踏襲 ■■静岡地裁判決(2016年3月24日)■■ (2) 争点2(女性の後遺障害の有無および程度)について 後遺障害としてのCPRSの罹患の有無について ア CRPSについての医学的知見及び認定基準 少なくとも労災補償手続における障害認定基準におけるRSDの認定要件を満たす場合は、後遺障害としてのCRPSに罹患していると言うことができる。 イ 診療録な...