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原価計算方式、「イノベーション評価には不適当」、製薬協

レポート 2017年5月26日 (金)  高橋直純(m3.com編集部)

日本製薬工業協会会長の畑中好彦氏(アステラス製薬社長)は5月25日、定例の記者会見で、中医協で議論が進む薬価算定方式に関連して、原価計算方式は「コストを積み上げていく考え方は、本当の意味でのイノベーションを起こした薬剤にはふさわしくないのではと考えている」と述べ、見直しを求める考えを示した(中医協の議論は『「原価計算方式、透明性が非常に低い」、中川日医副会長』を参照)。 原価計算方式は、比較薬が存在せず、類似薬効比較方式が使えない場合に、製品総原価(原材料費、労務費、製造経費、一般管理販売費)、営業利益などの各種経費を積み上げることにより、薬価を決める方式。 畑中会長は「類似薬効比較方式という考え方は、幅広く治療に対する便益を図る手段としては極めて有効であると考えている。一方で、原価計算方式は、さまざまな課題が指摘されている。私どもの立場からはコストを積み上げていく考え方は、特に比較する医薬品がない本当の意味でのイノベーションを起こした薬剤には、ふさわしくないのではと考えている。もし比較対象がないなら、疾患に対する他の治療手段の技術コストや類似疾患の薬剤評価などを使いながら評価していく...