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「第二の犠牲者を防げ!」、大磯・浜松医大教授

レポート 2017年5月28日 (日)  橋本佳子(m3.com編集長)

第15回日本臨床医学リスクマネジメント学会学術集会が都内で5月28日に開催され、浜松医科大学医学部医療法学教授の大磯義一郎氏が教育講演し、医療事故の当事者が「セカンド・ビクティム(第二の犠牲者)」になることを防ぐため、事故を起こした医療者への精神的ケア(ピアサポート)を行う必要性を強調した。 「医療事故を経験した後の医療者は、悲嘆、恥、恐れ、孤立などの感情を抱く。何のケアもなく放置されたら、精神状態も悪化、バーンアウトしかねず、医療チームへの影響、ひいては患者ケアの質の低下を招いてしまう」と大磯氏は懸念を呈する。しかし、日本ではセカンド・ビクティムへのピアサポートの体制が整っているとは言い難いという。「ピア」とは、同僚、仲間、同じような経験をした人という意味だ。 米国では、個々の医療機関に加えて、MITSS(Medically Induced Trauma Support Services)という非営利の第三者組織が、ピアサポートやその実践のためのピアサポーター研修などを行っている。大磯氏は、患者遺族の永尾るみ子氏、早稲田大学教授和田仁孝氏らとともに、その日本版組織を近く立ち上げる予定...