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iPS細胞の臨床応用「1日でも早く、できるだけ安く患者に」

レポート 2017年5月30日 (火)  水谷悠(m3.com編集部)

京都大学iPS細胞研究所所長の山中伸弥氏が5月29日、都内で行われた「AMED(日本医療研究開発機構)シンポジウム2017」で「iPS細胞がひらく新しい医学」と題して招待講演し、「1日でも早く、できるだけ安い価格で患者に届けるのが私たちの目標」として、iPS細胞の臨床応用を一刻も早く成し遂げたいとの思いを語った。 山中伸弥氏 最新の研究成果として、「再生医療用iPS細胞ストックプロジェクト」を紹介。日本赤十字社の血小板輸血や臍帯血バンク、日本骨髄バンクなどの協力を得て、HLA(ヒト白血球型抗原)型を免疫拒絶反応が出にくい組み合わせで持つドナーの細胞を採取して医療用iPS細胞のストックを作る事業で、既に10人以上のこうしたドナーを見つけてiPS細胞を作成しているとし、「このうち2人の方はまさにスーパードナーで、この2人から作成したiPS細胞だけで日本人の約24%、約3000万人をカバーできる。時間と費用がかかるという問題の解決になると期待している」と述べた。このプロジェクトで作成したiPS細胞を活用し、3月28日に神戸市立医療センター中央市民病院で、 網膜を難病患者に移植する手術を行った...