1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 医療の「賢明な選択」、国内外で機運高まる

医療の「賢明な選択」、国内外で機運高まる

レポート 2017年6月2日 (金)  坂口恵(m3.com編集部)

6月1日、第151回日本医学会シンポジウムが東京都で開催。「医療における“賢明な選択を目指して(Choosing Wisely)”」のテーマで講演と討議が行われた。シンポジウム企画委員の一人 、小泉俊三氏(医療の質・安全学会理事)が、日本を含む先進国で医療提供のあり方が見直されるようになっている背景や現状を解説した。 「死亡時年齢の収斂」が起きている日本 小泉氏によると、日本では平均寿命の延伸に伴い「死亡時年齢の収斂(compression of mortality)」が起きていると指摘されている〔Popul Stud (Camb) 2007; 61: 85-97〕。「多くの人がかなり高齢まで生きられるようになっただけでなく、高齢になってからさまざまな病気にかかり、QOLが落ちてくるというような偏りが見られるようになっている」(小泉氏)。そのため「従来は単一の急性疾患エピソードに対し、集中的に医療資源を投入して疾患を治すことが医療職の務めとされていたが、高齢社会を迎え高齢者の身体状況やQOL、あるいは価値観を熟慮しながら医療を提供する必要が高まってきた。つまり、同じ医療技術でも提供する...