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「医師の過重労働改善に一石を」原告側

レポート 2017年6月10日 (土)  水谷悠(m3.com編集部)

神奈川県内の民間病院に勤務していた医師が勤務先に対し、未払いの時間外労働に対する割増賃金(時間外手当)の支払いを求めた訴訟の弁論が6月9日、最高裁第2小法廷で開かれた。原告側代理人の新井隆弁護士は、一審横浜地裁と二審東京高裁判決で認定された、時間外手当が年俸に含まれる旨の原告と被告病院との間の合意自体の有効性が争点であると指摘した上で、「医師の過重労働改善に一石を投じるべく、医療現場の実態を踏まえた判断を求める」と述べ、医師の訴えを退けた一審、二審判決の変更を求めた。一方、被告側代理人の最所義一弁護士は「合意を無効と判断しなければならない事由が存在しないことは明らか」と述べ、一審、二審判決の支持を求めた(『年俸1700万円の医師、時間外手当の支払い求め上告審』を参照)。 原告側は、時間外労働に対して時間外手当を支払うよう規定した労働基準法37条の趣旨は、労働者の過重労働を防止し、労働者の生命や健康を保護することにあると指摘。今通常国会に提出された時間外労働の上限規制を導入する改正労働基準法案は、医師については適用猶予し、医師の働き方についての検討を求めている。最高裁の判断はこの議論に影...