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専門医とは何か、根本的議論が必要 - 相澤孝夫・日本病院会会長に聞く◆Vol.4

インタビュー 2017年7月3日 (月)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――最後にお聞きします。今医療界で関心が高いテーマの一つが、新専門医制度です。病院団体の視点で言えば、「研修の中心が大学病院になる」懸念もあるかと思います。 個人的な意見ですが、「そもそも専門医とは何か」という議論が果たして十分になされたのでしょうか。私は厚生労働省の社会保障審議会医療部会で、「なぜ新たな制度を作るのか。これまで学会がやってきた制度と変わらないのであれば、余計な負担をかけて作る必要があるのか」などと発言したことがあります。 学会の専門医制度の中には、総会などに参加して、「ハンコ」をもらえば継続できてしまうものがある。それではおかしいのではないか。国民が信頼できる専門医制度を作りたいというのが、議論の発端だと思います。専門医と言っても、医師によって大きな差があるのはおかしいでしょう。 私は今、消化器病専門医を持っていますが、現役の若い医師たちがやっている医療はできません。でもそうした医師はたくさんいる。しかし、海外では事情が異なり、例えば、中国の場合、臨床の現場から5年外れると、専門医資格を維持できないと聞いています。 相澤孝夫氏は、「医師の働き方改革」は、医療提供体制と...